DL103 専用ヘッドシェル ファントム (PHANTOM)
SPUを使ったことがありますか?
僕はSPUが好きでした。それはカートリッジとシェルの響きで音作りがされているからです。
そして長い間高い人気を誇っている理由は音だけではないと思います。
あんな風に素敵なデザインのシェルが作りたいと思っていました。もうずいぶん前のことですけど。
コンプライアンスが低く、重いシェルに合う、多くの人が持っているカートリッジはDL103を置いて他にありません。
SPUのように使用すればシェルの音色や響きを楽しめるカートリッジだと思います。その方向で対抗できる数少ないカートリッジだと。
DL103に美しい響きが乗ったらどんな音になるでしょうか。SPUをお持ちの方はぜひ対決させてみてください。
40回以上の試作を繰り返したこのモノコックボディの意図は、
①DL103と指かけを強固に固定できること。
②美しい響きを感じさせ、強度を持った単一素材(ブビンガ)で削り出すこと
でした。特殊な指かけを設計し,M2ナットと共締めされ、黒檀カバーをくぐり、ボディの中にきれいに納まるようデザインされています。カートリッジはM2.6ナットと共締めされるのです。
文字はすべて彫刻です。印刷なら早くていいですが、高級感がなくなってしまいます。
木に彫刻してもきれいにいきません。欠けが出るからです。欠けた部分を修正し表面処理を繰り返しながらきれいになるまで彫刻するのです。
DL103をそのまま、ビスで取り付ける仕様です。改造などは必要ありません。手軽にブビンガと黒檀の響きを楽しめます。
指かけは磨かれた後、細かいヘアーラインが入れられています。
ご使用にならない時は、樹脂カバーが取り付けられ安心です。
パーツ展開図
メッキしたビスなどは腐食してしまうから好きではありません。
ネジやナット、指かけはステンレス製であり、ヤスリをかけ美しく磨かれています。
美しく磨かれたビスやナットなど市販されてはいません。
ステンレス製と硬い木材で構成されたこの製品は、時計や車のようにオーバーホールすることができます。
少ない費用で新品のように戻すことができます。
ファントムは黒檀カバーをはずせば中が見えます。死角はなくすべてが意匠面なのです。だから中もヤスリをかけて仕上げています。形状の複雑さと仕上げの量の違いがモノリスより格段に価格が高い理由です。
「ネジなんて磨かなくていいからもっと安くしたほうがいい」 とよくアドバイスされます。
量産品ならそれが正しいと思います。でも、仕上がり=製作者の腕前 のような製品ではそんなことはできません。
このような製品はすべてのパーツの仕上げのレベルがそろっていなければ成り立たないのです。
DL103をセットすると、ジョイントのネック部分から針先までは52ミリに決まります。SPUと同じです。
ラテラル調整が可能です。
針先を確認するため、切り欠きがあります。
※DL103は付属しません。
■定価 ¥68,000 (税抜)
■ボディ素材 ブビンガ、上カバー黒檀
■質量 約17g (取り付けネジ、リード線含まず) ※DL103を組み込んだ全重量は27g程度になります。
■サイズ 幅25.7×高さ20.5×長さ57(指かけ、ジョイント部含まず)
■付属 OFCシェルリード線、取り付けネジ2本、 ドライバー、6角レンチ2種、リード線取り付け用人工スエードカバー
■ウレタンオイルフィニッシュ
現在市販されている商品のなかにSPU型のシェルはないと思います。
もし、眠っているDL103をお持ちなら今では珍しい音色のコンポーネンツをコレクションに加えてみてください。